どうもどうも(1か月ぶり)
いやー…もう九月も半ばですね
あれやね、マジで久しぶりにブログ書きますわ
しかも、その内容が7月に出たエロゲの感想記事という…
発売日に購入はしていたのですが、現実がごたごたしてまして
アペンドディスク含め攻略完了したのが、なんと一昨日です
もう完全に賞味期限切れてますが、レビューすると決めていたのでやります
今更ですがネタバレ注意です
書くまでもなく、本作はNavelから発売された「月に寄りそう乙女の作法」の続編です
よって、今作のみをプレイすると一番盛り上がるイベントでイマイチ感動出来ないと思います
よって、前作プレイ推奨です!
俺の前作に対する感想はエロスケ(エロゲ批評空間)に投稿してます…興味があればこちらでご覧ください
…では今作をレビューしてみましょう
グラフィック … B+
背景、立ち絵、イベントCG、どれも美麗です
一部のイベントCGにおいてキャラの輪郭とかバランスが微妙なのもあったけど、許容範囲内
特に背景が素晴らしい!パリの華やかさをよく表現できてるかと
まぁパリに行ったことないんですけどね…行ってみたいなーと思わせる絵でした
サウンド … B+
ボーカル曲が3曲。前作の「DESIRE」ほど良曲ではないが、まぁまぁ聴けます
BGMは前作のものも流用されていて、安定感抜群
なんというか、服飾とか豪邸とかパリとか、美麗で優雅な舞台の雰囲気を完璧に演出してます
曲単体で成立しているというよりも、作中で使われて初めて最大限に魅力が出る楽曲たちですな
作曲した人が作品の世界観を大切にしているのが感じられます
声優については文句なし!ヒロインはしっかり可愛いし、男子陣はしっかりカッコいい
中でも、衣遠兄様の芝居は素晴らしい…あと駿河もなかなかでしたね
そして、声優について触れておかなくてはならないのは、アペンドディスクで追加された遊星(朝日)!!
いやー、まじで素晴らしいですわ
しっかり朝日と遊星の声音が切り換えられていて、しかも上手い!
ルナ様ルートによく見られる朝日としてのHシーンとか、よく演じ切ることができたなぁと
女装主人公に声がつくって割と挑戦的な試みだよね…まさに画期的、見事に道を切り開きましたよ
これは必聴というか、聞いてもらわなければ凄さを本当の意味では理解できないと思う
演出 … B-
悪くはない…悪くはないが…
前作のコレクションの演出より今作の演出は控えめに感じた
ただ、ルナ様再登場の場面はよかったなぁ
普通にびっくりしたし、思わず声出ちゃいましたわww
あと、前作同様パロディに頼らない地のギャグが楽しかったですなぁ
下のやり取りは声出して笑いました
あと、発売前からわかってたけど八十島壱与にはやられたww
一枚目、肩幅広すぎてテキスト隠れてんじゃねーかwww
アペンドディスクのルナアフターでも存分に笑いを提供してもらいました
○○乙女とか、焼け焦げ禿げそうとか、いちいち言い回しが芸術的なんだよなぁ…ww
この辺は王雀孫氏の犯行ではなかろうか
ストーリー … B
今作はメインヒロイン3人のルートがそれぞれ用意されており、
そこに2つのサブルートを加えた5つのエンドがあります
また、初回封入特典として前作「つり乙」の各アフタールートを収録したアペンドディスクが付属しています
全体的な評価としては、「つり乙」の優雅な雰囲気が再び味わえて面白かった、という感じ
前作のルナ様ルートなんかは結構感動的で、不覚にも泣いた覚えがあるのですが、
今作では泣くまでの感動は覚えませんでした
そのかわり、りそなルートに見られるように、大蔵家の全容が明らかになったり、
衣遠や他の従兄弟たち、その他の困難と闘って自らの希望を勝ち取るストーリー展開は、
前作よりも強いスリルと爽快感を与えてくれたと思います
それでは各ルートについて、ここではまず、「おとりろ」メイン3ルートについて語り、
その後「つり乙」アフターについて書きます
「おとりろ」メイン
・りそなルート … A-
おそらく最も期待されていたであろう妹ルート
一言でまとめると、一族の家督争いと異国の地での差別という2つの困難に兄妹で立ち向かうお話
ストーリー展開は非常に練られており、プレイヤーの期待に応えるものだったと思う
シナリオもさることながら、主要キャラクターの心情の変化が非常に丁寧に描かれている
ともすれば冗長に感じられる前半も、りそなの成長と兄妹が愛し合うに至るまでを表現するのに必要だったし、
前作では描かれなかった衣遠や真星をはじめとした大蔵家の人間の過去や、
その行動原理がはっきりと書かれていて、非常に面白い
この辺って、おそらく前作作ってた時から裏設定って感じですでに用意されてたように感じる
というか十中八九そうだろうな…まぁ付け焼刃よりは全然いいんだけどさ
特に家督争いパートは熱かった
策略と交渉により相手を抑え、時に出し抜き、時に信頼を得る過程はスリルがあって、飽きません
3兄妹の結束と家族愛が醸成されていく過程は強いカタルシスを与えてくれます
特にこのシーン…これが見れてよかった |
一方、コレクション(異国の差別)パートについては…
何というか、黒幕が途中で分かってしまったので微妙に盛り上がれませんでした
まぁわかってても勧善懲悪ストーリーとしては十分面白いんですけどね
2つのパートの結末はコレクションの結果に収束し、一気に解決されるわけですが、
家督争いパートの解決の仕方が…ちょっと強引かなとは思いました
他家に嫁がせるほどに娘(りそな)に落胆した金子が、果たしてあんなに簡単に感動して遊星を認めるか?
もっと最後まで1人で遊星を拒否して、周りの人間に疎まれて排除される…みたいなENDかと考えていたが…
ここだけ読んでて「あれ?あっさりしすぎじゃね?」と疑問を持ってしまった
ここに至るまでのシナリオが濃厚に書かれていたために、こう思ったんだろうけどね
あと、肝心なりそなのヒロイン力に関してですが…あれやな…
りそなは報われるよりも他のヒロインと仲良くしてる遊星に拗ねつつデレるのが可愛い!
完全に恋人になった後のデレはなんというか…パンチが足りなかったね
・メリルルート … B
今作からの新ヒロインその1。
正直りそな以外には期待してなかったんですが、終わってみればメリルが一番可愛い
こんな善性の塊みたいないい子はフィクションでも珍しいってくらいの天使です
ストーリーの練度とヒロインの可愛さのバランスがよいルートでした
初めから兄だとわかってるりそなルートと比べ、女装主人公ならではの面白さがあった
純粋すぎるゆえに恋心を知らないメリルが、朝日の人間性に惹かれ、それを恋心と自覚する…
この「人間性に惹かれる」様子の描き方がなかなか良い
しかも男だと発覚した瞬間、「じゃあ結婚できるんですね?」ですよ!
ルナ様ルートの展開にピュア成分をふんだんに混ぜた感じですな
これぞ「つり乙」シリーズの真骨頂だね
ただ、共通部分で鳥肌が立つくらい天才設定をアピールしたのに
個別ではあまりそれが活かされていないように感じたのが残念でしたね
それとブランケット家との確執も「大蔵家直系と発覚→さーせんした」で終わりなのが
ちょっとさっぱりし過ぎだと思いました
・ブリュエットルート … C-
新ヒロインその2。
まとめちゃうと…
レズッ気のあるお嬢様が、社会的体面と同性愛的嗜好の両方を満たす朝日にハマる話。
感想を一言で言えば うーん…
声優は車の人(今回はトヨタですね)で演技力も抜群だし、キャラクター的にも悪くないのに、
いかんせんストーリーが…まじで上記の1行で終わりだからね
女装バレもかなりあっさりというか、これが許されるのならなぜ今までばれなかったのか疑問になるレベルだし…
正直、語るべきところがない
ただ、エロシーンのギャグ性が一番高いのはこのルートでした
義に厚く恋愛脳のエッテが実は頭でっかちだという指摘を受けて、
遊星のペ○スを握りながら極めて論理的に自分の性癖(誤用)を語るシーンは何とも凄まじい
論理的すぎて別人かと思うとともに、人間離れした印象を受けました
実はこの子感情とかなくて、非常に機械的でシステマチックな思考回路を積んだレズビアンラブマシーンなんじゃね?
「つり乙」アフター
・ルナアフター … B+
遊星&りそなのフィリア入学試験、新人メイドと桜屋敷での日常、衣遠とルナの関係、桜小路家との確執…
まさかの大ボリューム&マルチエンディングで割とびっくりしました
「おとりろ」のエッテルートより俄然全然断然面白かったわ
久しぶりのルナ様と朝日(遊星)の関係は相変わらず独特で練られてるなぁ
至誠からの恋慕と愛情、絶対的な信頼と独占欲、朝日へのルナ様の愛情は倒錯的で見てて面白い
この二人の、一緒にいるためなら自らが抱える苦しみをも飲み込んで先に進むというスタンス
久々に見れてよかったです
ていうか、3兄妹が仲良過ぎワロタwww あと八十島壱与トバしすぎワロタwww
・ユーシェアフター … B
いやーすっかり忘れていました
「つり乙」においてヒロイン力が最も高いのはユーシェだったことを!
愛に飢えたユーシェマジ可愛い!
内容は、底なしのスランプから、前作での成功と遊星との愛を再確認することで脱するというもの
前作のユーシェルートは、一人の天才に恋人と二人で打ち勝つというスポ根風の物語で、
天才に挑む凡人(?)の苦悩が描かれていて非常に好きだったのですが、
このアフターも、一度知った喜びをもう一度味わうために立ち上がるという
クリエイターならではのリブートの方法と感動をコンパクトに描いててよかったと思います
作中のユーシェの台詞、
「あまりに大きな感動は、人間の記憶力程度では、再現することができないようになっているのかもしれません。それは、きっと、私たちが、一度きりで物を作ることをやめてしまわないように」
というのを聞いて、面白い考え方だなと思うと同時に腑に落ちた感覚を得ました
この台詞はきっと、この作品の製作陣の実体験から来ているんでしょうね…何となく羨ましいです
・瑞穂アフター … B-
このアフターは時間軸的に前作のラストの少し前、
花ノ宮家と衣遠に瑞穂との結婚と遊星の夢を認めさせるお話です
前作の瑞穂ルート後半がリニア並みの駆け足で、
重要な部分が軽い説明だけで終わったことを考えると、瑞穂ファンにとってこのアフターは必見ですな
俺はこれプレイしてやっと、瑞穂は遊星を男として受け入れたってことを理解しました
自分の読解力のなさを棚に上げれば、それほどまでに前作の瑞穂ルートはおざなりだったってことです
まぁ感想としては、上記の通りようやく前作の結末が補完されて納得した…くらいですかね
あと、衣遠の遊星に対する感情の一端を垣間見ることができてよかった
瑞穂についてはあまり好きではないので、軽く読んでしまいました
ファンの人ごめんなさい
・湊アフター … B-
前作ではある意味一番ぶっ飛んでいた、湊ルートのその後です
メイド喫茶の東京支店を任された朝日(遊星)と湊の奮闘記と、七愛との関係、衣遠との和解が主題
やはり、解決した話の後日談というものはありきたりなお話になりやすいもので、
このアフターも大部分は「忙しい日々の中で愛を育む二人」という起伏のないものでした
衣遠との和解もテナント審査からの奉仕落とし…他のルートに比べるとずいぶん軽い解決でした
ただ、七愛との掛け合いは面白かったですな
湊は遊星を優先し、いつか自分は捨てられるという七愛に対して、七愛を含めて湊を守ると誓う遊星
どうせなら、この誓いを実現するような事件と七愛との完全和解を描いて欲しかった…
「七愛アフター」の需要って結構あるんじゃね?世に出ることがあれば絶対手に入れます
・衣遠IF(エイプリルフール企画) … A
これも収録されていたのか…www
「衣遠兄様の華麗なる一日」は、今年の四月馬鹿にNavelが公開した企画及びその動画です
遊星が「大蔵朝日」として完璧に妹になった夢の中で、衣遠が兄妹愛(りそな除く)に耽溺するお話
これは公式がYouTubeにアップしており、「おとりろ」公式サイトから楽にアクセスできます
いやー当時も爆笑しましたけど、再び「おとりろ」でこの世界を味わってから見るとさらにオモロいですわ
ビッチ売りの少女てwwwww
普段クールで厳粛なキャラが崩壊して暴走するのは笑いの常套ですが、
衣遠のそれは破壊力がぱねぇっす…素晴らしい演技力で魅せてくれた鳩万軍曹さんに拍手!www
総合 … B
「つり乙」に引き続き、お嬢様方と華やかな服飾の雰囲気に囲まれた独特の世界観を味わえてよかったです
恋愛ADVはたいてい学園モノであり、このシリーズも同様のカテゴリーに入るのですが、
大多数の作品が山積し埋もれる「単なる青春ストーリー」じゃない、
服飾という特殊な世界でのスポ根テイストと上流階級ならではの生き馬の目を抜くような世界での駆け引き…
そこに女装主人公が加わるという、かなり新鮮な舞台の上で展開するストーリーは他のゲームじゃ見られないでしょう
ただ、前作のルナ様ルートのような「女装主人公」との恋愛、
百合とノーマルの境界線で綱渡りをするような濃厚なラブストーリーを期待すると、
少し肩透かしを食らうかもしれません
今作においては、りそなルートで顕著な、
恐怖に打ち勝って殻を破る勇気、家族愛や友愛みたいなものがメインテーマだと考えた方がよい
実妹との恋愛という背徳性はハイソサエティーならではの狂った家族観で有耶無耶にされてる感じがするし、
「女装」による危うさみたいなものも、あまりフォーカスされてない印象を受けました
まぁ前作をプレイして、またあの雰囲気を味わいたいって方は購入しても損はしないでしょう
ルナ様ルートのような「女装主人公」ならではの濃厚な展開にしか興味が無ければ、微妙なラインです
あと、やるならぜひアペンドディスクも手に入れてください!
これをやるのとやらないのとでは「おとりろ」ひいては「つり乙」の評価が全然違うと思います
長々とこんな駄文を読んでいただきありがとうございました
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