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2014年3月19日水曜日

「イノセントガール」感想




朝からジュースはメロンサイダー(挨拶)

もう3月も終わりそうですが、まだ寒かったり暖かかったり、はっきりしませんなー
無駄に汗っかきなのでこういう季節が一番困ります

さて、今回はよく考えもせずに衝動的に手を出してしまった、
Front Wingの「イノセントガール」の感想を書きます
FWの作品に触れるのはグリザイアシリーズ以来ですね

例によって例のごとくネタバレ注意です



今回取り上げる「イノセントガール」は…
『少年時代に作詩の才能を認められたが、気恥ずかしさから創作から遠ざかった七海航(主人公)が、
両親の仕事の都合で妹の通う芸術学校に転入し、学生寮の面々とイチャコラする』恋愛ADVです

FWが2012年にリリースした「ピュアガール」の流れを汲んだ作品なようです
俺は「ピュアガール」をプレイしていないので類似性を詳しく述べることはできませんが、
設定やライターを見るとちゃんとシリーズとしての共通項があるようですね
「個性豊か過ぎる女の子達と学生寮で共に過ごす」というのがテーマなのかな


それでは早速レビューしていきましょう




グラフィック … B



「グリザイアシリーズ」でSD絵を担当されていたななかまい氏が原画担当です
ななかまい氏メインのゲームに触れるのは初めてですが、やはりかわいらしい絵柄ですね
ちなみにキャラは8割巨乳おっぱい星人に優しいデザインになっております

全体的にクオリティが高く、そつのない仕上がりで満足でした
芸術をテーマにするだけあって、非常に鮮やかな色使いだったのも印象的です

ただ、キャラの描き分けがある(ように感じる)んですが、
片方の描き方が少し好みじゃないので、評価はBにとどめておきます

具体的には、「綾代かがりと逢坂鼎のデザイン」と「それ以外のキャラのデザイン」です
前者の描き方の方が好きなんですが、この二人だけなんですよねぇ
俺としては白目がちゃんと見えるように黒目は小さく、ジト目もシンプルな方がいい

ジト目比較。右(雛子)よりも左(鼎)のデザインの方が好きだなぁ

まぁこれは完全に個人の嗜好ですから「欠点」とは言えませんが、
ちょっと気になったので書いときます…SD絵に関しては完璧に可愛くて大好きです。
あと、何気に背景のクオリティもよかったです




サウンド … C+

BGMは全体的にポップで軽快な曲が多いです
全体的に明るいノリのお話なので、世界観にちゃんとマッチしています
…が、曲単体で印象に残るわけでもなく、最低限の役割を果たしているという感じですね

声優についてですが…
全体的に高くて甘い声音の人…いわゆる「萌え声」分が多いなという印象です
こんなかわいらしい声に下ネタ増し増しの文章を読ませるというギャップが面白いんですが、
コンプリート目指してプレイしていると、すこしクドくなってくるんですね…
それだけに、逢坂鼎役の御苑生メイさんのお姉さんボイスが非常に心地よいです
一人ひとりには全く不満はないんですが、もう少しバラエティに富んでればなぁ…と思ってしまいました




演出 … C+

ななかまい氏の可愛らしいSD絵演出が多かったのは非常に嬉しかったですが、
所々に挿入されるポエムシーンも別に心に響くことはなく、
それ以外に演出と呼べるものはあまりなかったので、評価できる点はありませんでした
まぁ雛子ルートの夕陽は綺麗だったかな

エロシーンは一人につき7つ+おまけ2ルート…エロ方面には非常に充実していますが、
どちらかと言えばストーリー重視の俺にとっては蛇足的だったかな

あと強いて言えば、コンフィグが「グリザイア」の頃より使いやすくなっていたことかな
オートモード時のスピード調節がやりやすくなっていたように思います
…マジでこれくらいだな、うん




ストーリー … C+


あらすじと共通ルートは冒頭に書いたような感じで、下ネタ成分てんこ盛りで淡々と進んでいきます
そして上の画像の通り、航がどの専攻を選ぶかでルート選択が行われると…
非常に分かりやすい親切設計ですね

全体的にイチャラブに力を注いでいる内容なので、
それが好きな人は結構満足感を得られると思います

ストーリーの出来というか、強いカタルシスを得られるかどうかという点で見ると、
個人的には非常に薄味、プレイ後にかなり物足りなさが残りました
それぞれのルートを個別に見ても、一部を除き目立った欠点は見つからないんですが、
同時に目立った良さも見つからない…ただただ物足りないという感想です


それでは以下に各ルートの感想を述べていきます



 かがりルート



 ビジュアル的に今作のメインを張るヒロインらしく、
 共通ルートに出てくる舞台設定や小物がちゃんと活かされてるルートですね
 
 大雑把に見れば、かがりの突出した才能を持つが故の孤独を、主人公が癒すというシナリオ
 ちゃんと自分を見てくれる航にかがりの心が溶けていく様子がちゃんと描かれていて感動できました

 「芸術家には2種類のタイプがいる。表現したい者と伝えたい者だ」
 …という今作のキャッチコピーを踏まえてみると、
 かがりと航は同じく表現するために絵や詩を生み出しており、
 そのシンパシーがかがりの孤独を拭い去ったとも取れます
 反面、親の期待に応えるため、「伝える」ために絵を描いていたところもあり、
 それがかがりの心の危うさ、スランプの原因になるという…
 こういう考察ができるシナリオってのは良いですね
 
 ヒロインの可愛さという意味でも素晴らしいパートです
 かがりとのイチャイチャの描き方が濃厚で、その方向の需要にも応えられる出来ですな
 付き合い始めてからのかがりん可愛いよかがりん!
 エロに傾きすぎるわけでもなく、猫のようにすり寄ってくる感じがグゥゥレイトォォォ!

 総合的に安定してるシナリオで、良質だったと思います




 雛子ルート



 夢のために3年間離れ離れだった義理の兄妹が幼き日の約束を果たすストーリー。

 共通ルート開始3分でわかる通り、病的なまでのブラコンをこじらせた義妹に押し切られ、
 そのまま恋仲になって、二人で夢のために頑張ると…もうこれが全てですね

 そのひねりのない筋書には清々しさすら感じます
 まぁ妹好きにとってはこれくらいストレートな方がウケるのかもしれませんね
 残念ながら俺はそういう嗜好がないので、あまり惹かれるものがありませんでした

 後半の「本番に弱く、楽しめなければ歌えない」って問題も、序盤で予想がついてしまうのがね…
 しかもその克服方法がありきたりというか、それだけ?って感じだし、
 数か月後にもう一度チャレンジできるという救済措置が取られてるのがシナリオの起伏のなさを 際立たせてますね

 さらに言わせてもらうと、小倉結衣さんの声音は「ChuSingura 46+1 -忠臣蔵46+1-」の山吉新八郎みたいに
 少し陰のある、狂気を含ませた役の方が映えると思うなぁ
 この雛子みたいにずーっとハイテンションでキンキンの芝居を続けられるとちょっとキツくなってくる…




このかルート



 芸術的才能のない凡人が両親を繋ぎとめるためにアートと向き合うお話。
 このかは属性が「伝えたい者」の側に振り切ってますね

 このかの母、莉乃の「天才が抱える苦悩」もリアルっちゃリアルだったし、
 話のオチも結構意外性があって、嫌いじゃないです

 あと、グジグジ悩んでいる莉乃に対する航の絶妙な距離感って言うんですかね
 基本的に前を向かせようとしているんだけど、構いすぎず突き放すという
 本人の心の持ちように因る悩みに対する他人の接し方ってのが何気に良かったですね
 そうすることによって、本人もグジグジ悩むことが次第に馬鹿らしくなってくるというか…
 なんというか、悩みの内容は全然違うけど、莉乃に感情移入してしまいました

 ただ…ロマンス部分において、この作品のコンセプトであるイチャラブの度合いが一番濃いというか、
 もう糖分と脂質のみで成り立っていると言っても過言じゃない甘々ぶりに、若干ついていけませんでした
 こんな人がリアルにいたら完全にキチ〇イ…ってこれはエロゲやっておいて今更か。




 鼎ルート


 「恋」より「エロス」を先に知った商業官能小説作家、逢坂鼎と「純愛」の意味を探すシナリオです

 テーマが分かりやすいのと、上記の通り御苑生メイさんの演技が良いのがプラスです

 前者について、「表現する者」である航と「伝える者」である鼎の対比から、
 互いに知らないものを補い合うという関係に至るという筋道というか、やりたいことはわかりました

 後者は、「異性を好きになる」ことを意識し始めた鼎がよく表現されていて、なかなか可愛かったですね
 加えて、設定通りエロ成分が多めかつハイクオリティなのもエロゲ的に美点かな
 個人的にはエロよりもシナリオの出来が気になるので、十分すぎるなと感じました

 不満としては、決着のつけ方、描き方が物足りないことかな
 結局、鼎が「純愛」についての答えを完全につかんだのかどうか、イマイチわかりづらい
 ED直後の感想としては「ああ、ここで終わりなんだ」という感じでしたね
 エロかったけど少し味気ないルートでした




総評 … C


繰り返しになりますが、イチャラブを求めるなら良いゲームだと思います
そこにとんでもない下種トークが加わることによって、明るい雰囲気が強くなっています
「兄妹ゴムいらず」とか、結構センスを感じる下ネタが楽しかったのは事実です

作画のクオリティも、個人的嗜好を除けば高い品質ですし、
声優についても、高い声が苦手でなければ問題ありません

ただ、私を含めシナリオ厨の方々には物足りないものであることは指摘せざるを得ません
まぁ公式サイトを見れば、どんな層をターゲットにしているかくらい察して然るべきですが、
念のため、これを読んで下さった購入検討中の方に向けて書いておきます



つーことで、「イノセントガール」の感想でした
次にやるのはランス9かな…もうそれ以外にプレイする体力がない…

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